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​人型宇宙外生命体「Cyk」に関する調査報告

​・生殖方法について
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担当研究者:Ds

​Cykの非常に細胞分裂が盛んな「アホ毛」組織を一部採取し、培養。

​遺伝情報を含む物質を細胞分画法にて取り出したところデオキシリボ核酸が確認された。

ヒトと同様、DNAを遺伝子の構成物質とすると推測。

生殖行動の有無は確認されていないが、彼女と血縁度の非常に高い個体が複数確認されているため

何らかの形で生殖を行っていると予想できる。

無性生殖・有性生殖のいずれにおいてもそれを裏付けるような証拠は得られなかった。

しかし、かの個体達の血縁度が非常に高いことから単為発生を行っている可能性が示唆される。

​まだまだ調査すべき課題は多そうである。

担当研究者:Ds

先日、私はついにCykが人間を「取り込む」瞬間に遭遇することができた。

対象は高校二年生の女生徒(以下W)であった。

「取り込む」というよりは「融合」という表現がふさわしく、融合完了後、Wの外見には変化が起きた。

(自立するアホ毛の発生、髪の毛・虹彩の色の変化など)

これらはいずれも「Cyk」に類似しており、彼女の力により遺伝情報の改ざん・細胞の再分化が起こったと

考えてよいだろう。

なおこの変化が見られて数秒後に本体がWから分離したが、Wの外見が元に戻ることはなかった。

このことから、Cykが単なる無性(有性)生殖を行っているとは考えにくく、

遺伝情報を書き替えるための特殊な酵素群を保有していることが第一に予想される。

​いやはや、全くわけのわからない生き物(?)である。気持ち悪いなほんと。こんな研究やめたい。

担当研究者:A

​おなかすいたなあ 今日はたーちゃんがインドカレーを作ってくれるんです うふふ

​・特殊形質個体の出現

担当研究者:C

怒りエネルギーを利用して代謝を行う宇宙人(被検体M)を発見。

活動時の気性はたいへん荒く、キャプチャに大変な労力を要した。

活動レベルと体液中のストレス値の関係を計測したところ、

​安静時におけるストレス値は平常時のヒト(被検体W)と同レベルであり、

疑似戦闘を行わせた際のストレス値はヒトのそれを大きく超えていた。

したがってこれらには強い正の相関関係があると予想できる。

また、感情エネルギーは非常に爆発性の高い化合物に変換され、貯蔵・利用されることが判明した。

利用された感情エネルギーの一部は回収され、特殊な回路によって再利用できる形に戻される。

​この回路を「マゼンタ回路」と名付けることにする。

なお、Mに活発な活動を許可なく行わせることは禁止する。無許可の接触は被検体Wを除き禁忌とする。​

​マジで、マジでちょっかい出さないでね!!!困るのアタシだから!!!!!勘弁してよ!!!!!!

担当研究者:Dw

ジンギスカンはね やっぱりガラナとおにぎりが無いと始まらないわけよ

今日はマゼンタと服をばくりっこしてみたんだけど...いずいったらないね

特に胸が って言ったらめちゃくちゃキレて面白かった またからかおう

担当研究者:N

Cykの体が人間そっくりで面白かった

穴までつくってあった・・・神経も通してるみたい・・・なンで?

観測するだけなンだから下等生物の真似事なンかやってどういうつもりカ?

​まあでもなんだかんだ気持ちよさそうにしてたから超~~~~ウケる ばくヮラ

担当研究者:Dw

いとしいニンゲンのことを無茶苦茶に言うバカがいたから

めちゃくちゃにしてヤった 快楽堕ちさせるの最高~

​次は3Pにしよ

​・手記

6月XX日:Ds

​ 雨が続く嫌な季節だ。ヤツと会ったのも土砂降りの雨の日だったと思う。

修道女の変装がとうとうバレて追いかけまわされたんだっけ。

毎週日曜日に集まっては、「神との同衾」とやらの為に熱心に歌う様があまりにも愚かで滑稽だったものだから。

 教祖は小奇麗な服を着ていたが、信者はその8割が低所得者層であり、教会はいつも埃臭かった。

そこで私は山吹色の瞳をもつ少女と出会った。

不思議なことに、彼女は他の子どもと違って綺麗な身なりをしていた。

それもそのはず、少女は教祖の子供だったのだ。

彼女はずいぶんと私のことを慕ってくれていた。

私が信者の事を見下しているだとか、神の存在を否定しているだとか

そんなことをこぼしても​彼女はコロコロと笑った。

 

 彼女のコネを使い、教会の隠し部屋に住み込みながら、夜は窃盗をしては食いつないでいた。

あの時の生活は最悪だったが、それでも絶望はしていなかった。

光だった。神様も信念も何もない私の人生を照らしたのは彼女の存在だった。

いつかまっとうなレールの上に戻れるように、星の光が導いてくれる、そう思っていた。

 信じるものは人によって違う。

「空虚にしか見えないかもしれない、でもあたし達にとってこれは救済なんだ、存在証明なんだ」

そう語る彼女の視線は、私の心臓に杭を打ち込んで締め付けた。

同じ信念を有する者が集う場所、そこが教会であり、彼らが社会で生きる理由そのものだった。

ああなんて生き生きとした顔をしているのだろう。ただ羨ましかった。

信じるもの、私はただそれが欲しかった。

 私が教会に潜り込んで二年が経とうとしていた頃だったか、彼女は突如行方不明になった。

彼女がいなくなってからの生活はクソったれな毎日だった。

なにやら重要らしい儀式の途中にしくじり倒し、しまいには追い出されてしまった。

 雨が土砂降りで逃げるために走っていたこと、空腹だったこと、体を動かす気力もなかったこと。

それくらいは覚えているが、あとはどうにも思い出せない。

都合の悪い記憶を都合よく切り取るヤツの手口だ。

今でもいったい何を考えているのかはわからない。

人間に好意を抱いているらしいが、それもどこまで人間の倫理の範疇に収まるのかわからない。

なぜ私はここにいるんだ、と尋ねても

「それはネ、愉快なコウノトリさんがネ、あ~たをアタシの家に連れてきたからだヨ♡」

などと毎度毎度適当なことを言うのでもう訊かないようにした。

​・不純同性交遊
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担当研究者:C

なんともけしからんことに、当研究所内の職員間において

友人にしては熱すぎる関係性が構築されているとの噂があった。

実にけしからん。

被検体Dwがやってきた頃から風紀が乱れ始めたような?

とはいえ人外×人間って推せ...観察対象として実に興味深い。

面白半分で生やしたらどうなるのかしら?

何を?それは...アレを何して....

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